スペイン経済と日西経済関係

1．スペイン経済

（1）

概観 ○ 2002年GDPは、6,531億ドルで、OECD諸国中第8位。 ○ 1人あたりGDPは16,100ドル（EU諸国中第13位）（出典：OECD in Figures, 2002） ○ 経済構造は、典型的な先進国型、サービス部門と工業門が全体の90％を占める。

（2）

最近の経済情勢 ○ EU経済が低迷する中で、スペイン経済は回復傾向が顕著。 　97年以降4％以上の高い経済成長率を維持していたが、2001年以降緩やかな減速傾向（2000年4.2%→01年2.8%→02年2.0%）にあったが2003年は2.4％と前年までの減速から反転。消費と住宅を中心とした建設投資が景気を牽引。 ○ 依然として高い失業率。経済の好調とともに改善傾向が続いていた雇用情勢も2001年半ば頃から変化し、2003年の平均は昨年と同様11.3％となった。この10年間で見ると失業率は急減したが、依然EU域内で失業率が最も高い。（91～95年平均17.1%→2001年10.6%→2002年11.3%→2003年11.3%） ○ 2003年インフレ率は、3.1％となり、前年の3.6％から低下。2004年に入り引き続き沈静化傾向にあったが、原油価格の高騰によるエネルギー価格の上昇等により、4月に入り再び上昇。また、最近の住宅価格の高騰は依然沈静化せず、OECD報告では、急激な下落リスクを警告。 ○ 財政の健全化に努力。2004年度予算案では、4年連続の財政均衡達成。 ○ 主な在スペイン日系企業 ・ 日産自動車（乗用車・同部品の製造販売、拠点：バルセロナ、マドリッド） ・ 富士通（情報処理機器の製造販売、拠点：マラガ、マドリッド） ・ 宇部興産（ナイロン原料の製造販売、拠点：バレンシア） ・ スズキ（二輪車、自動車エンジン部品など）、拠点：ヒホン） ・ ブリジストン（タイヤチューブ、ホイールの製造販売、拠点：ビスカヤ） ・ 日新製鋼（ステンレス鉄鋼の製造販売、拠点：アルヘシラス） ・ 花王石鹸（化学品の製造販売、拠点：バルセロナ） ・ 松下電器産業（VTR、家電製品、拠点：バルセロナ） ・ ソニー（HIFI、VTR、テレビ、拠点：バルセロナ） スペインからの対日投資 ○ 在日スペイン企業数は20数社。ごく一部のアパレル・ブランド以外は大型案件はなく低調に推移。 ○ 日本へ進出しているスペイン企業の主な分野は、アパレル、革製品、陶磁器、食品、銀行等。 ○ 主な在日スペイン企業 ・ ファッション・ブランド「ザラ・ジャパン（ZARA）」（98年に東京に第1号店を設立。）、「アドルフォ・ドミンゲス（Adolfo Dominguez）」、「マンゴ・ジャパン」 ・ 高級陶磁器メーカーの「リヤドロ（Lladoro）」（98年に東京に展示ショールームを設立。2002年、銀座に直営店を開設。） ・ 高級宝飾メーカー「カレラ・イ・カレラ」（2003年東京銀座に直営店を開設。） ・ ワインメーカーの「フレシネ（Freixenet）」、「トーレス（Torres）」